日本株に「海外投資家」が帰ってきた!
師走の日本株市場は、相変わらずの「好調相場」を快走している。
先週の日経平均株価は2週連続の上昇を記録し、市場には楽観モードが広がっている。なにより好感されているのが海外投資家の動向だ。
東京証券取引所が発表した最新の投資家動向によれば、11月最終週には海外投資家が日本株の買い越しに転じていたことが発覚。日本株市場の6~7割の売買を占める海外投資家がついに「戻ってきた」ということで、市場関係者たちは沸きに沸いているのだ。
背景にあるのは行き先を探る巨大マネーの動向だ。
「世界的な金融緩和の中で、マーケットには投資先を求める巨大マネーが蠢いている。今秋までは米国株や欧州株へそうしたマネーが流入して、NYダウ平均などは過去最高値を更新し続けてきたが、それが一服。次に出遅れ感の強い市場にマネーが向き始めたところ、日本株市場がその格好の投資先として注目され始めた」(アナリスト)
今年は年始から暴落相場に見舞われたように、2019年の日本株は渋い展開が続いてきた。それが今秋に入ってから一転して上昇相場に突入してきたのは、こうした背景事情があるためだ。
ただ、それだけではない。
「26兆円経済対策」の巨大インパクト
いま市場での最大関心事は米中貿易戦争の行方であることは間違いなく、トランプ大統領らの一挙手一投足で相場が動く「米中相場」の様相を呈していることは周知の通りである。
12月15日には米国による第四弾の対中関税発動期限を迎えるとあってマーケットは神経質になっている面はあるが、一方で市場には奇妙な楽観論が広がっているのもまた事実である。いったい、なぜか。
「理由は明確で、米国では来年大統領選が実施されることが大きい。過去の相場のアノマリーでは、米大統領選が行われる年には米国株式市場は着実に上昇することが確認されている。仮に景気失速が懸念されるような事態になれば、トランプ大統領もなりふり構わぬ景気刺激策をとってくることは間違いない」(前出・アナリスト)
そのため2020年の相場は「底堅い」と見られており、そうした安心感から株式市場にリスクオンのマネーが再び流入してきているわけだ。
そこへきて日本でも、このほど26兆円規模の経済政策が閣議決定されたのが大きい。
「財政支出は13兆円規模になる巨額経済対策であり、これは株式市場には確実に追い風になる」(ファンドマネジャー)
実際、経済政策が閣議決定されると、米中貿易戦争への警戒感が広がっていた日本株市場は一転、日経平均株価が上昇してみせた。
日本株は師走の上昇相場にのって、2019年末には大台の2万5000円超えへ――。
市場ではさっそくそんな威勢のいい声も聞こえ始めてきた。
2020年、日本株は「3万円超え」へ…!
日本株市場にこうした楽観論が広がる中、市場では「2020年に日経平均3万円超え」を指摘する向きも出始めている。
「今年の日本企業は米中貿易戦争の直撃を受けて減益ラッシュだったが、じつは来期は増益予想をしている企業が少なくない。日本企業のV字回復シナリオに乗って、日本株市場が大きく伸びていく可能性は十分にあり得る。
そこへきて、2020年には東京オリンピックが開催される。東京五輪の『ご祝儀相場』という側面も加われば、一気に日経平均株価が3万円を突破することも夢ではない」(前出・ファンドマネジャー)
ではそんな勢いづく日本株市場で、ズバリ的中率80%を超える『Phantom株価予報AIエンジン』(財産ネット社開発・運営、詳細はhttps://phantom-ai.com/)が導き出した「今週の注目銘柄」を紹介しよう。
今週の『Phantom株価予報AIエンジン』がピックアップした大本命銘柄は日本製鉄 (5401)である。
日本製鉄は粗鋼生産量で国内首位、世界3位の巨大製鉄企業。じつはここへきて株価が急伸していることをご存じだろうか。
財産ネット企業調査部長の藤本誠之氏が言う。
「もともと日本製鉄は年初から株価下落が続いて、1月8日高値の3132円から8月26日安値の1413.5円まで半値以下まで下落していました。それがここへきて、大手証券、外資証券からの株価レーティング引き上げが相次ぎ急伸。一気にリバウンド相場入りしているんです」
上値追いの展開になる
背景にあるのは日本製鉄の経営改革。2020年から製鉄所組織の統合・再編に取り組んで、抜本的に運営体制を見直すのだ。
10月には日鉄日新製鋼との合併も発表されて、改革が次々に断行されているのが好感されているかたちである。
「そこへきて日本政府が12月5日、国や地方からの財政支出が13.2兆円となる経済対策を閣議決定した。民間の支出も加えた事業規模は26兆円で、これを追い風にできそうな日本製鉄はしばらく上値追いの展開が続きそうです」
2019-12-08 20:46:52