Amazonは独自の配達網を構築するためのプログラム「Amazon Logistics」を導入することで、他社の配送サービスを利用するのではなく、自社の息のかかった配送サービスを用いてより安価に商品の配送を行うことを狙っています。その一環として、AmazonはFedExとの配送契約を打ち切るなどしてきたのですが、新たにサードパーティ業者に対してもFedExの一部の配送サービスを利用しないよう通達したことが明らかになりました。
Amazon Blocks Sellers From Using FedEx Ground for Prime Shipments - WSJ
ウォールストリートジャーナルはAmazonがサードパーティ業者向けに通知した禁止事項に関する情報を独自に入手しました。これによると、AmazonはPrime会員向けの商品を提供するベンダーに対して、FedExの提供する配送サービスであるFedEx GroundおよびFedEx Home Deliveryを利用することを禁止しています。なお、MarketWatchによると、Amazonがサードパーティ業者に対してFedExの一部の配送サービスの利用を禁止したのは、ホリデーシーズンの配送パフォーマンスが低下したからだそうで、Amazonは「これらの配送方法(FedEx GroundおよびFedEx Home Delivery)のパフォーマンスが改善されるまで」、同サービスの利用を禁止するとしています。
今回AmazonがFedExの一部配送サービスの利用を禁止したのは、Amazonマーケットプレイスで商品を販売しているサードパーティ業者のうち、Prime会員向けの商品を取り扱っている業者に対してです。なお、Amazonの総売上の18%をサードパーティ業者の販売が占めているように、Amazonではサードパーティ業者が多くの商品を販売しています。
Amazon自身はFedExとのアメリカ国内での配送契約を2019年8月に終了しています。これはAmazonが独自に構築した配送網を用いて商品の配送を行うためで、FedExは投資家向けの文書の中で「Amazonは大量の荷送りを行うために、独自の配送機能を開発・実装することで、請負業者(Amazon Logistics)を利用するようになりました。そのため、AmazonはFedExにとっての競合他社となる可能性があります」と説明しています。
さらに、Amazonは自社だけでなくサードパーティ業者に対してもFedExの配送サービスの使用を禁止したわけですが、これについてFedExは「我々のビジネス全体への影響はごくわずか」と説明しています。
なお、AmazonはPrime会員向けの商品を販売するサードパーティ業者に対して、商品の配送に「UPSのサービス」「FedEx Express(FedExの配送サービスの中でも高価なサービス)」「Amazon Logistics」のいずれかを使用するように求めており、特にAmazon Logisticsの利用を推奨しています。
2019-12-16 20:15:18