iPhoneの出荷台数は10億台を突破し、さまざまな国や地域の多様な人が使用している。少しでも多くの人が快適に使用できるようiPhoneやiPadには「アクセシビリティ」と呼ばれる、障がいのある方の使用をサポートする機能が搭載されている。アクセシビリティの主要な機能を視覚・聴覚・操作にわけてそれぞれ解説していこう。
【目次】
■視覚に関する補助機能
①画面の内容を音声で聞ける「VoiceOver」
②2本指でさまざまな操作を可能にする「ローター」機能
③点字ディスプレイに接続できる
④iPhoneの画面表示を最適化できる
⑤そのほかの表示アシスト機能
■聴覚に関する補助機能
①対応補聴器とBluetoothで連携できる
②AirPodsを補聴器として利用できる
■操作に関する補助機能
①タッチ操作を最適化する「AssistiveTouch」
②スイッチコントロールでiPhoneを操作
視覚に関する補助機能
①画面の表示内容を音声で読み上げる「VoiceOver」
画面を見なくてもiPhoneを操作できるよう、タップした場所の内容を音声で読み上げてくれるのが「VoiceOver」機能だ。これによって操作したい場所がわかり、改めてダブルタップすることでその項目が実行される。
たとえば、ホーム画面で設定アプリをタップすると「設定」と読み上げられ、ダブルタップするとアプリを開く。3本指でスワイプすると画面のスクロールができる。
アプリ内の情報やブラウザの検索結果などもすべて読み上げてくれ、選択した文章がページタイトルのリンクであれば、タイトルを読み上げた後に「見出し リンク」と教えてくれる。さらに画面がロックされると、画面をタップしなくても暗転したことを「画面非表示」という音声で知ることができる。
読み上げ音声のスピードも調節でき、個人に合わせてストレスなく聞き取るための調整も可能。目で見て理解している画面内の情報を、すべて耳で聞いて理解できるようになるのだ。
【VoiceOver設定方法】
[設定]アプリ ▶[アクセシビリティ]▶[VoiceOver]をONに。
また、[アクセシビリティ]▶[ショートカット]から[VoiceOver]にチェックを入れると、ホームボタン搭載の機種はホームボタンを3回、Face ID搭載の機種では電源ボタンを3回押すだけで、どの画面からでも「VoiceOver」にアクセスできる。
②2本指でさまざまな操作を可能にするVoiceOverの「ローター」機能
VoiceOverでは、ダイヤルを回すように画面上で2本の指を動かすと、「ローター」というダイヤル状のインターフェースが表示される。ローターを駆使すれば、VoiceOverの読み上げや、文字入力に関する設定などを、画面を見ずに変更することができる。
たとえば、ウェブサイトを閲覧中にローターを[見出し]に指定すると、ページ内の本文などは飛ばして見出し部分のみを拾って読み上げてくれる。[リンク]に指定すると、ページ内でリンク設定がされているテキストのみを拾って読み上げてくれる。これによって画面のどこにどういった情報があるのかが把握しづらい方が、ページトップからひとつひとつ文章を読み上げなくても、必要な情報に素早くアクセスできるような工夫されているのだ。
2019-12-19 18:36:38