リハサクのメンバーと投資家陣。前列左が創業者で代表取締役の近藤慎也氏、右が共同創業者でCOOの石井大河氏
整形外科や接骨院向けのリハビリ支援SaaS「リハサク」を開発するリハサクは12月23日、ANRI、DNX Ventures、マネックスベンチャーズを引受先とする第三者割当増資により総額1.1億円を調達したことを明らかにした。
同社にとっては4月にアプリコット・ベンチャーズから資金調達を実施して以来となる外部調達で、今回はプレシリーズAラウンドという位置付け。カスタマーサクセスの向上や機能追加に向けて人材採用を強化する方針だという。
患者ごとにカスタマイズした運動メニューを30秒で作成
リハサクが手がけているのは整形外科や接骨院、整体向けの「運動療法」を軸としたCRMサービスだ。現在は患者が自宅で実施する"運動メニュー"を最短30秒ほどで作成できるシステムを施設に提供。これによってリハビリにまつわる施設側と患者側双方の課題解決を目指している。
リハサク共同創業者でCOOの石井大河氏によると、リハビリにおける患者の大きなペインは「(提供される情報が少なくて)わからないこと」と「治らないこと」にあるそう。特に「治らない」については、自宅での運動が病院などで受けるリハビリと同等の効果を期待できることが複数の文献等で立証されていることもあり、どれだけ効果的な自主トレを実施できるかが大きなポイントになるという。
ただ多くの施設が運動療法を上手く取り入れられているかというと、必ずしもそうではないようだ。たとえばリハサクが調査を実施したある診療所では約80%の患者が施設から言われた頻度・回数で運動をしていなかった。その理由を掘り下げると「自分でやった場合は効果が低そう」「運動内容を忘れてしまった」など、セラピスト(理学療法士や柔道整復師)が適切な情報を提供できておらず、患者の理解度が不足していることがわかった。
施設側も複数の患者をかわるがわる診察しているため、1人1人に対して自宅運動の重要性や具体的な運動メニューを丁寧に説明するほどの時間を確保することは難しい。結果的に口頭での説明に終わってしまい、患者側に十分に伝わらないことも多いという。
2019-12-22 17:03:18